「もう、お母さんとは縁を切る!!」
6年前、ワタシはメールで母を切り捨てた。
原因は、母がワタシとの約束を破ったから。
母との約束。それは、たわいもないものだった。
肺がんの治療を続けてた義父が、もう長くないと言われていた頃。旅行で、父と一緒に上京した母は、
「お義父さんのお葬式には必ず出席するからね!」
と、ワタシに固く誓い、故郷の島根へと帰っていった。
それから、一週間もたたないうちに義父が他界。葬儀の日を電話で母に伝えると、
「その日は、前から決まってる予定があってどうしても出席できない・・・」
母から返ってきたのは予想外の言葉だった。
母がワタシとの約束を破った理由
ワタシの両親はS県に住んでいるから、上京するのが大変ということなら理解できる。
でも、事情は全く違った。母は、義理の父の葬儀よりも自分の宗教活動を優先したのだ。
ワタシの気持ちを察したのか、母は宗教活動のことを隠したが、ワタシにはすぐにわかった。
ワタシは、義理の父が大嫌いだった。だから、母が葬儀に来れなくても本当はどうでもよかった。
それなのに、母から葬儀に出席できないという言葉を聞いた瞬間、なぜか腹の底から怒りがグワーッとこみ上げ大噴火した。
ワタシは、母がワタシとの約束を破ったことが許せなかったのだ。
怒りに任せて縁を切ると言ったワタシ。
その言葉を聞いた母は、娘がどうしてそんなに怒っているのか見当もつかなかっただろう。
幸せだと信じていた世界が崩壊した瞬間
怒りにまかせて、母に縁切りをたたきつけたワタシ。
あの時、なぜマグマのような怒りが瞬時にこみ上げてきたのか自分でも理解できなかった。
「ワタシ、なんでこんなに怒ってんだろ・・・」
怒りの原因が知りたくて、もんもんと考えていたら、
ワタシって、不幸だったんだ・・・。
と、ふと気がついた。35年間生きてきて初めての気づき。
不幸・・・。
自分が不幸だなんて、絶対に認めたくないはずなのに。
ワタシは誰よりも幸せ者なのよ!!って、信じて生きてきたはずなのに。
不幸だったという事実になぜか妙に納得している自分がいた。
そして、ワタシは、その不幸という感情の正体がどうしても知りたくなった。
ワタシの不幸の原因とアダルトチルドレン
ワタシは、さっそく不幸の原因をググった。
検索ワードは、”家族 うまくいかない”とか、そんな感じの言葉だった。
すると、”アダルトチルドレン”について書かれている記事がいくつもヒットした。
・・・アダルトチルドレン?
初めて知る言葉。
アダルトチルドレンとは、幼少期の家庭環境が原因で、大人になっても生きづらさを感じながら生活している人たちの総称らしい。
もしかして、ワタシもアダルトチルドレン・・・??
ネットで調べた限り、ワタシが育った家庭環境は、アダルトチルドレンを生み出す家庭環境にぴたりと一致するものだった。
これが、ワタシの不幸の原因・・・???
母への怒り。ワタシは不幸だったという気づき。
ワタシは、もっとアダルトチルドレンについて知りたくなった。
今まで、感じていたはずなのにずっと見て見ぬふりをしてきた、どうしようもない生きづらさの理由。
その答えがわかるかもしれない。
ワタシは、35年間生きてきて初めて、自分と真剣に向き合う決意をした。