発達障害を抱えるワタシは、小さなころから雑談が苦手だった。
小学生や中学生のころは、気のおけない友達と趣味や恋愛などのたわいもない話で盛り上がっていたが、
高校生になり生活環境がガラリと変わったころから、急に雑談を苦手と感じるようになった。
休憩時間に、周りの女子たちは当たり前のように雑談をして楽しそうにしている中、ワタシは英語の単語帳をひたすら眺めていた。
友達がいなかったわけではないが、ワタシから積極的に友達のところへ出向くことはなく、
友達が来てくれたら話す、という常に受け身な感じで、人付き合いもこの頃からパターン化していたように思う。
社会人になって雑談という苦痛の場が増えた
それでも、学生のころは会話をする相手が選べたので、仲のいい友達とは楽しく雑談を交わしていた。
状況が一変したのは、社会人になってから。
会社には、沢山の他人がいて、話したくもない相手とも話をしなければならない。
仕事のためという目的のある雑談なら全く苦痛ではないが、目的のない雑談、自分が興味のない雑談をするときは、ほんとうに苦痛だった。
そもそも、他人に興味がないのだ。
その他人が話す内容にも興味がなさすぎて、まったく共感できない。
それでも、他人に嫌われたくない、仕事をスムースにはこびたい一心で、一生懸命無理をして他人に話を合わせていた。
他人との雑談中にワタシの中で起きている現象
雑談中に、他人に合わせて無理をして笑顔を作り、みんなが笑うタイミングに合わせて笑い、共感がまったくできない話に
「そーだよね、わかるわかる」
と、相づちを打っているワタシの心の中で起きていること。
まず、心の中の顔は能面状態で全く笑っていないどころか、表情筋すら動いていない。そして、
帰りたい。この雑談に費やす時間がもったいない。全然楽しくない。ワタシ、なんで面白くも無いのに笑ってんだろ。みんな何が面白くて笑ってんの?
と心の中で思っている。
それでも、嫌われたくない一心で、必死に表情筋を動かして笑う。
そのせいで、雑談後のワタシの顔の筋肉は常にこわばり、不快な違和感を覚えるのだ。
自分が発達障害だと自覚してから少しだけ気持ちが楽になった
みんなと同じように楽しく雑談しなくちゃ!という自分へのプレッシャーで、興味の無い相手を前にしても、雑談をしようと頑張っていたワタシ。
しかし、そんなワタシの緊張感が伝わるのか、他の人とはいつも楽しそうに雑談している人でも、ワタシを前にすると決まって沈黙気味になる。
その空気感がとてつもなく嫌で、雑談をますます遠ざけてきた。
ママ友の雑談の輪にももちろん入っていけず、いつもポツンとする日々。
なんでワタシはこうなんだろうと自分を責める日々。
ほんとうに、寂しくて辛い日々だった。
でも、自分が発達障害だと自覚してから、少しずつ雑談に対する意識が変わってきた。
雑談中、ワタシの心の中はモヤモヤしているが、相手がワタシとの雑談を楽しんでくれるならそれでいいのではないか。
雑談したくない人とは、そもそも無理に雑談する必要はないのではないかと。
今では、前よりは気負いせず雑談ができるようになった。
もちろん、雑談は面倒くさいし時間の無駄だと思う気持ちに変わりはない。
でも、雑談ができないからと凹むのはもう止めた。
最近は、幼稚園の役員や小学校のPTA活動で、興味の無い他人と接する機会も増えたが、
多分、相手もワタシに大して興味がないはずなので、適当に雑談し気楽にやっていこうと思う。