対人恐怖症

とざされたワタシの心を開いたものとは?どうしてワタシは鎧をまとったのか

物心ついたころから、ワタシは見えない鎧を身にまとっていた。

家でも、家の外でも、何かから懸命に自分の心を守るための重くて硬い鎧を。

いつしか、その鎧をつけているとなぜだか息苦しくなってきた。

重い。しんどい。これは、何のためにつけていたんだっけ?

ワタシは、鎧の必要性を考える時期がきたことを察し、鎧を脱ぎ捨ててしまう前に、その鎧について思いを巡らせてみることにした。


どうしてワタシは鎧をまとったのか

ワタシは、物心ついた時から自分以外のもの全てから自分の心を守っていた。

家族、親せき、学校の先生や同級生、会社の上司や同僚、友人、恋人・・・。

常に味方でいてくれる親友以外は誰もがだった。

ワタシの心を傷つける敵だった。

世の中、理不尽なことが多すぎて、小さな子供なりに自分の正義を守ろうと必死だったのかもしれない。

そんな弱肉強食の世界で生き抜くためには、ワタシにとって鎧は必需品だったのだろう。


鎧の副作用

でも、重くて硬い鎧は、ワタシを守ってくれる反面、副作用ももたらした。

その副作用とは孤独だ。

自分を隔離し、自分を守りすぎたワタシには孤独しか残らなかった。

自分の夫や子供がいて、一緒に暮らしているのに孤独を感じる。どうしようもない孤独感が爆発して、夫や子供にモヤモヤした感情をぶつける。

どうしてこんなにイライラするんだろう・・・。

その原因は、自分を守りすぎたから。過保護にしすぎたから。

いつまでも鎧がぬげない心が歪んだナルシスト。これが、鎧をまとった40女のなれの果て。

辛い、苦しい、生きづらい・・・。でも、この鎧、どうやったら脱げるんだっけ?

自分を信頼して愛してくれる家族がいて、数は少ないけれど大切な親友がいて、それでもワタシはこの鎧がまだ必要?

鎧に押しつぶされる前に、孤独にむしばまれる前に、早くこの鎧をぬがないといけない気がする。

息切れと焦りを感じはじめたワタシは、とにかく鎧の脱ぎ方を模索することにした。


鎧の脱ぎ方を知る

鎧の脱ぎ方。

そんなトリセツなんてあるわけがないので、まずは自分を荒野に放り込んでみることにした。

それは、子供の幼稚園や小学校のPTAだった。

いままで、避けに避けてきた社交場。自分とは、価値観が絶対的に違うだろうというママさんたちとの交流。

最初は、鎧でガッチガチに固めていたワタシだったが、想像以上にみんな優しくて拍子抜けした。

色んな人と出会ううちに、ワタシは、

アスペルガー症候群で世間に馴染めないワタシでも、もしかしたら受け入れてもらえるかも・・・。

という手ごたえを感じ始めた。

そして、1年ほどで、鎧の仮面下半身ぐらいは外せるようになった。


とざされた心の扉を開いたもの

ワタシは、家でも鎧をつけていた。

特に、夫の前では。

夫は、ワタシの自由を奪う悪人。ワタシは、カゴの鳥になりたくない。

ワタシは結婚生活10年の間、夫に心を開いたことがなかった。

でも、家の外ですら鎧が脱げるようになったワタシが、家の中で鎧を脱げるようになるまでにそう時間はかからなかった。

ワタシは、何もかもを夫のせいにして、現実から逃げていたのかもしれない。

そんなことがフッと頭をよぎってから、家族や、自分の時間や、自分にとって大切なことについて色々と考えるように。

そして、ついに閉ざされていたワタシの心の扉を開ける瞬間がきた。

おつかれさま、ごめんね、ありがとう。

ワタシから夫への感謝や謝罪の言葉が、ワタシの口から自然に飛び出したとき、鎧が完全に外れたと確信した。

ワタシは、もう孤独に悩まされることはない。軽くなった心と身体で、今この瞬間を楽しもう。





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