2011年10月に母方の祖母が死んだ。死因はがんだった。
その時、ワタシは33歳。
その頃のワタシは、すでに結婚をして娘が1人いたが、夫と自分の家庭があるにもかかわらず、自分の味方をしてくれる人はこの世でたった二人。
祖母と母だけだと信じて疑わなかった。
人のためにつくし優しく真っすぐに生きた祖母
ワタシは、祖母を心から尊敬していた。
戦争を体験し、いくつもの苦境に立たされ、それでも地に足を踏ん張って懸命に生きた人生。
自分の子供には、厳しい一面を見せる反面、ワタシたち孫のことは心から愛してくれた。
定年後は、人のためにとマッサージ師の資格をとり、近所の高齢者にとても喜ばれた祖母だったが、充実した人生を送っていた矢先、身体にがんが見つかった。
信心深かった祖母は、どうして自分が・・・ととてもショックを受けていたと、後に母がワタシに話してくれた。
がんが見つかった時、きっと治るだろうと楽観的に考えていたが、がんは治療の甲斐なく進行し、祖母は力尽きた。
自分がアダルトチルドレンだと気づいた時~祖母も憎しみの対象になった
大好きだった祖母の死。
いつまでもワタシの味方でいてくれる大切な理解者。
その大きな存在を失った時、ワタシは絶望の底に突き落とされた。
祖母と母を失ったら、ワタシを味方してくれる人がいなくなる。そうしたら、ワタシの生きる意味も価値もなくなってしまう。
そんな想いに押しつぶされそうになりながら、祖母が亡くなって3ヶ月ほどは気がつくと泣いてばかりいた。
しかし、祖母の死を受け入れられないまま2年が過ぎたころ、ワタシは、あるきっかけで、自分がアダルトチルドレンだということを知った。
ワタシがアダルトチルドレンになったのは、祖父のせい、祖母のせい、父のせい、母のせい・・・。
絶望に狂いながらも、祖母への依存心が解けるとともに、祖母の死の悲しみから解放されたワタシは、いつしか祖母のことを忘れていった。
祖母について今思うこと
自分がアダルトチルドレンだと自覚してから、ワタシは、自分と向き合う日々をもう6年も続けている。
その中で、ワタシが祖母や母をはじめ、血のつながった自分の家族に強く依存していたこと、だからこそ、夫と新しく築いた家族に心を開けていなかったことに気がついた。
ワタシの味方をしてくれるのは、祖母や母だけではない。
自分が気づかなかっただけで、夫や子供や友達や周りの人全て、ワタシに愛情を示してくれる人は他にも大勢いたのだ。
大丈夫。
今では、遠い空の上に昇ってしまった祖母を想いながら、祖母がくれた沢山の愛を忘れず、
ワタシを愛してくれたことに感謝し、やさしくほほえむことができるようになったワタシがいる。