ワタシは、一般的な人と比べて、神経が過敏すぎるところがある。
中学生の時に発症した腸過敏性症候群も、過敏すぎる神経が災いした結果だろう。
ワタシの場合、視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感の中で、視覚・聴覚・嗅覚が特に敏感で、30代までは、心の休まらない日々を過ごしていた。
聴覚と嗅覚は決まった音や臭いだけに反応する
どんな人でも、苦手な音や臭いがあると思うが、ワタシには、苦手な音や臭いへの反応が過敏すぎるところがある。
聴覚は、車やスピーカーから出る低音、掃除機の音、低調に繰り返す音が特に嫌いで、自分の傍でその音が鳴ると逃げ出したくなる。
嗅覚は、人一倍鼻が利くため、下水の臭い、カビ臭、体臭、アンモニア臭など、誰もがクサいと思う臭いはとにかく耐えられない。
柔軟剤などの人工的な香りも大嫌い。
苦手なニオイを嗅ぎたくなくて、自然と息を止める癖がついたため、酸欠になって頭痛になることがよくあるくらいだ。
基本的には、静音・無臭好きで、できるだけ自然な音や香りに囲まれていたいので、
人が密集して人工的な音やニオイに満ちている場所は、ワタシにとってまったく居心地のいい場所ではない。
一番きついのは視覚過敏
ワタシの五感で、もっとも過敏なのが視覚だ。
視覚というより、目の辺りの感覚が敏感と言った方がいいかもしれない。
目からこめかみにかけてセンサーがついている感じだ。
カメレオンやシュモクザメの視野は広く、ほとんど360℃が見渡せるというが、ワタシも視野が許す限り、周りの動きを瞬時に察知することができる。
例えば、会社の席でパソコンの前に座っている時に、
隣の島で何が起こっているか、遠くの方からワタシに向かって歩いてきている人がいる、5メートル圏内に座っている人の会話など、色んな情報が視覚を通じて頭の中に入ってくる。
この状態が、会社、電車の中、スーパー、帰り道と、家に帰るまで延々と続くのだ。
家に帰ってからも、日中の緊張状態を引きずり、30代までは不眠になることもしばしばだった。
40代になって神経過敏からやっと解放されはじめた
30代までは生きづらさに押しつぶされて自己否定ばかりしていたワタシだったが、40代になってから、生きづらいという感覚が少しずつ減ってきた。
理由は、ワタシが、発達障害をはじめとした複数の問題を抱えているのだと自覚したからだが、それ以外にも考えられる理由があった。
それは、
- 加齢による脳の衰え
- 退職後に家で過ごすことが多くなり、神経過敏になって自己防衛をする必要性がなくなった
ワタシが神経過敏だったのは、発達障害として元々備えている感覚に加えて、自分が苦手とする全てのものから身を守るためだった。
神経過敏症で得をしたということは今までに一度もなく、神経過敏症で損をしてばかりの人生だったが、
いつかこの神経過敏症が役に立つ時がくるかもしれないと思いつつ、今は、脳の衰えに心地良さすら感じながら毎日を過ごしている。