ワタシは、物心ついたころから時間を守るのが苦手だった。
もっと寝ていたい、学校がつまらない、面倒くさい・・・。
ワタシは、自分が時間を守れないのは怠惰のせいだと思ってきた。
時間ギリギリになってワタシを起こす親の怒鳴り声が、ワタシの耳に今も残る。
時間が守れないワタシ
小学生の頃は、同じ町内の子供たちと集団登校していた。
集合場所での待ち合わせ時間は7時25分で、出発は7時35分。
ワタシが集合場所に到着するのは、いつも出発時間ギリギリか遅刻で、もっと遅い時は、ちょうど家の前をとおる集団登校の列に途中から加わることもあった。
もちろん、置いていかれたことも何度もあった。
中学生になっても寝坊癖は治らず、中学校が家から近かったせいか、小学生の頃よりも遅く起きて朝食を早食いし、学校へ急いで向かう日々を送った。
高校生になっても事態は一向に変わらず、高校生活が苦痛だったワタシは、学校に行きたくないという気持ちを引きずりながら登校した。
高校に入学したての頃は、近所に住む親友と一緒に登校していたが、ワタシがあまりにも毎日遅刻をするので、ある日「別々に行こう」と言われてショックを受け、遅刻グセが治らない自分を責めた記憶がある。
短大生になってからも、社会人になって仕事をするようになってからも、ワタシの遅刻グセは治らなかった。
仕事を辞めて主婦をしている今でも、時間を守るのは苦手だ。
時間が守れない自分を責め続けた日々
大人になってからも、準備をしているうちに、いつのまにか出かける時間になっていることが多いワタシ。
時間が守れないのはダメ人間だ。
気持ちだけは焦るけれど、なぜか行きたくない。
でも、やっぱり行かなきゃ。行かないのはもっとダメだ。
出発までそんなことを考えながら、自分や時間を守れない自分にイライラしては絶望しての繰り返し。
気持ちがひどく落ち込んで準備が進まない時は、会社を休んだり、約束をドタキャンすることもあった。
どうしてワタシはいつもこうなんだろう・・・。
ワタシは、遅刻をする度に自信をなくし、自己嫌悪におちいり、そんな自分をいつも責めた。
時間が守れないのは病気のせいだった
ワタシが遅刻を繰り返してしまう原因は、アスペルガー症候群の特性にあった。
ワタシの場合は、①物事を順序立てて進めるのが苦手、②こだわりが強いことが遅刻グセにつながっていたのだろう。
物事を順序だてて進めるのが苦手なワタシは、これぐらいの時間なら準備ができるだろうという時間を予測して起きる時間や出発時間を決めるのだが、
途中で色んなことに気が散って手を出してしまい、結果的に自分で逆算して決めた準備時間をいつもオーバーしてしまう。
また、こだわりが強いワタシは、出かける先に少しでも嫌なことがあると、心や身体が徹底的に拒絶し抵抗するため、準備が遅れるという結果につながっていた。
ワタシがずっと遅刻魔だったのは、こだわりが強い自分が、勉強や仕事や人間関係を拒否し続けていたからなのだ。
今は、仕事から離れて主婦をしているワタシだが、幼稚園の役員や小学校の役員の集まりに参加する時は相変わらず遅刻をしてしまう。
それは、こだわりが強い自分が何かを拒否しているせいなのだと思うが、実際に、遅刻をしたからとワタシを責める人は誰一人いないので、ワタシも遅刻をする自分は責めなくてもいいかなと気楽に考えられるようになった。
ワタシの遅刻グセは、決して怠惰じゃない。
これからは、時間が守れない自分を理解し、上手にコントロールしながら、与えられた役割をきちんと果たしていきたい。