ワタシは10代のころから、複数の精神障害に加えて、月経前症候群にも悩まされてきた。
毎月、決まってやってくる憂鬱が生理のせいかもしれないと気づいたのは、
月経前症候群(PMS)(※今は、月経前不快気分障害(PMDD)という症状も一般化されている)という病状を知ってからだ。
その頃は、社会人としてもうすでにバリバリと働いていたが、
自分は月経前症候群なのだと自覚したとき、学生時代から毎月続いていた得体の知れない憂鬱や倦怠感の理由がやっと理解できた気がした。
生理休暇をとりまくりだったワタシ
ワタシが勤めてきた会社の就業規定には、生理休暇(月1回)という休暇制度があった。
ワタシは、その休暇制度を、月経前症候群のためにほとんど毎月利用した。
ワタシの場合、生理が来る1週間ほど前から、月経前症候群の症状が出始める。
朝起きると、まず身体が重く、いつもは当たり前にできている朝の準備にものすごく時間がかかる。
なんとか、朝食を食べたり、メイクをしたりするのだが、せっかく準備ができても玄関から外に出ることができない。
会社に行かなきゃ・・・。
という気持ちと30分ほど戦ったのち、結局、会社に休むと連絡をして布団に戻ることを、ほとんど毎月繰り返していた。
ワタシの月経前症候群で一番わかりやすい症状は、誰にも会いたくなくなること。
前日までは、バリバリ仕事ができていたのに、月経前症候群になると、ピンと張りつめていた糸がプツンと切れたように、いきなり気分が落ち込んでやる気が消滅するのだ。
月経前症候群と新型うつ
ワタシの月経前症候群は、3〜5日続く。決して、1日で気分がすっきりと回復することはない。
1ヶ月に1度も生理休暇をとらず、月経前症候群を乗り切れた月もあったが、そんな時は、会社でパソコンの前に座っていても、頭がボーッとして何も考えられず、
仕事にならない時間を過ごしたり、他人にコントロール不能なイライラをぶつけたり、
身体や心を休めなかった負担が、翌月ドカンと来て、会社を1週間も休んでしまったりすることもあった。
最近、若者によく見られるという新型うつという病気があるが、20代〜30代のころのワタシの月経前症候群の症状は新型うつに似ていた。
月経前症候群の時期が過ぎれば、何事もなかったかのように、普段と変わらない生活に戻れたからだ。
あの頃の自分を降りかえると、自分を偽りながらも、毎日がむしゃらに働き続けていたストレスが、月経前症候群の時期になると溢れ出し、新型うつを発症させていたのかもしれない。
月経前症候群はストレスによって重度が変わる
短大生になり、親元から離れて暮らすようになってから、単位がとれるギリギリを計算しながら要領良く授業をサボり、心の休息をとる術を覚えたワタシ。
20代〜30代と外資系企業でバリバリ働くようになってからは、
自分では気づかないほど精神的に追い詰められ、そのストレスが月経前症候群や新型うつの症状となって毎月あらわれるようになった。
40代になり、仕事を辞めて専業主婦になってからは、
イライラする、気分が落ち込む、頭がボーっとするなど、典型的な月経前症候群の症状は相変わらず出るものの、廃人のように一日中布団で寝込むことはなくなった。
今では、これから来るであろう更年期に戦々恐々としながらも、なるべくストレスを溜めこまず、適度な発散を意識した生活を送っている。