ワタシは、子供の頃からこだわりが強すぎる人間だった。
今でこそ、発達障害という言葉が一般化しつつあるが、昔は発達障害など誰も知らなかった。
自分の強すぎるこだわりのせいで、周りの人を振り回したり、傷つけたりしてきたことは本当に悪かったと反省はしているものの、
自分が発達障害だと自覚した今でさえ、ワタシは強いこだわりを捨てきれずにいる。
ワタシのこだわり失敗談
ワタシは、21歳の時に半年ほど実家に住んでいた。
翌年には、東京に進出する予定だったので、その資金をためるべく家から車で10分ほどのところにあるスーパーでレジ打ちのアルバイトを始めた。
接客業は苦手だったが、レジ打ちは単調な作業だし、商品を並べたり、棚卸をしたりする作業は得意なので、毎日バイトを楽しんでいた。
ある日の閉店間際、そろそろレジを締めようかな・・・と思っていた時、60代ぐらいの女性客が来て、千円ほどの買い物を100円玉で支払った。
ワタシは、その十数枚の100円玉を見て、
ああ、さっき100円玉をレジに追加したばかりなのに100円玉が増えちゃった。レジを締めるのに邪魔だなあ・・・。
と、心の中でつぶやいた。
普通の人なら、心の中のつぶやきで終わるのかもしれないが、空気が読めないワタシは隣のレジの子に、
「100円玉が沢山あるんだけどいる?」
と、その女性客がまだ側にいるにも関わらず、そんな言葉を発してしまった。
案の定、その女性客は激怒。
「100円玉で払っちゃいけないの?!!」
と、ワタシに怒りの言葉をぶつけてお店を後にした。
その後、その女性客は、店に来る度にワタシが担当するレジに並び、全てのお会計を100円玉で支払った。
ワタシは、自分の軽率さを反省したが、あの時、どうしても100円玉がほしくなかったのだ。
今思えば、ワタシなりの強いこだわりがそこにあったからなのだろう。
ワタシはどんなことにこだわりを感じるのか?
ワタシは、今でも日常的にこだわりまくっている。例えば、
- 夫の家事が気に入らなくてイライラするので、家事は全部自分ですると決めている
- 家具や物の配置が気になり、ちょっとでも歪んでいると気になる
- 物事が自分の思いどおりに進まないとイライラする
- 探し物が見つからないと不安でイライラする
- 独りでいる時間が少ないとイライラする
- テレビをつけていないと不安でイライラする
- 大好きなテレビ番組を観ている時に、周りに人がいるとイライラする
- ご飯は、自分が食べたいものしか作りたくない
など、数えれば切りがない。
こんなふうに、ワタシは、自分の強すぎるこだわりと毎日格闘しているのだ。
強いこだわりはイライラのもと!上手につきあうコツとは?
ワタシの場合、強いこだわりには必ずイライラがつきまとう。
自分の思いどおりにいかないと、とにかくイライラするのだ。
イライラするだけならまだしも、そのイライラを家族にぶつけるので、家族はたまったものではない。
自分が発達障害だと気づいたときには、すでに結婚し、子供もできていたので、今となっては引き返せるはずもないが、正直、ワタシには結婚生活も子育ても向いていないと思う。
なぜなら、こだわりが強いがゆえに、自分以外の他人と生活することに強いストレスを感じるからだ。
それでも、こんなワタシを必要としてくれる家族を想い、自分は発達障害なのだから強いこだわりをもってしまうのは仕方がないけれど、
その強いこだわりを少しずつ捨てていかなければならないと考えるようになった。
最近は、夫が家事を手伝ってくれても口出ししない、物が無くなっても少し探してなければあきらめる、家の中に家族がいても独りになれる場所を見つけて一息つくなど、
こだわりを意識して捨てるよう心がけている。
もちろん、どうしても譲れないこともある。
そんな時は、こだわりを捨てる自分と捨てられない自分の両方を受け止めつつ、家族と相談しながら上手に生活していけたらと思う。