先日、うちの息子が隣人Bに怒鳴られる事件があった。
事の発端は、息子同士のいざこざとでも言えばいいのだろうか。
最初、うちの息子と息子の友達Jが遊んでいた。そこへ、Bの息子Oが「一緒に遊ぼ」とやってきた。
うちの息子は4年生で、Jは5年生。Oは幼稚園年長さん。息子とOは、5つも歳が離れている。
いつもは、Oを入れて3人で遊んでいた息子だったが、その日はJと思い切り遊びたかったからかOからの誘いを「遊べない」と断った。
すると、Oが泣き出し家へと帰っていった。事件が起きたのは、その直後だった。
息子と隣人Bの間に起きたこと
Oが泣きながら家に帰った後、ほどなくして息子とJは近くの公園へ行った。
すると、Oの父親BがOと二人で公園にいた。Bは息子を見つけるとすかさず、
「(息子の名前)!」と息子を呼び捨てにし、「Oを泣かせたのかよ!」と怒鳴ったそうだ。
息子は、遊べないと言っただけだと弁明したが、Bは「ほんとかよ!」と言い不機嫌なままだったという。
息子曰く、Bは今までに見たことのない悪魔のような顔をしていたらしい。
ワタシの気持ちの整理がつかない
隣人が我が家の隣に引っ越してきてから早6年。
Oのママはとても温和で、小さなころから思いどおりにいかないと泣きわめくOを、Oが泣き止むまで常に優しく見守る穏やかな性格の女性だ。
Bも、妻の前では温和な姿勢を崩さず、引っ越してきた当初は落ち着きのある大人な夫婦だなという印象を受けた。
そのうちOができて、子ども同士の交流が始まり、わが家の庭で一緒にバーベキューや花火をする仲になった。
Bは、割と鈍感で図々しいところがあり、わが家が家族でバーベキューを楽しんでいる時に、割り込んでくることがあった。
また、人の行動や表情にに注意を怠らない性分のワタシは、妻の前では見せないBの陰気な表情を、何度か垣間見たことがある。
そのため、Bがいくらニコニコしていても、ワタシはBに対して警戒心を拭えなかった。
それでも、自分の勘違いだろうと、隣人家族には好印象をもつようにしていた。自分の、他人を疑いやすい性格を治したいという無意識な期待もあったように思う。
モヤモヤする気持ちを整理した方法
しかし、今回のことでワタシの勘が当たっていたことが残念ながら証明された。
後に、息子が、自分の判断でOの家に謝りに行き、OのママにBに怒られた(悪魔の顔で怒鳴られたことは隠したらしい)ことをそれとなく告げると、
Oのママはうちの息子がBに怒られたことは聞いていないと答えたらしい。
Bは、妻にだけは、自分の負の部分を知られたくないのだろう。
ワタシはワタシで、Bに怒鳴られた息子を気の毒に思い、10日間ほどBを恨んだ。
Oは、自分の思いどおりに行かないことがあるといつも泣くじゃないか。
うちの息子が「遊べない」と言っただけで泣くなんて。たったそれだけのことでBが息子を理不尽に怒鳴りつけるなんて。
息子は、何も悪いことをしていないじゃないか!!!
しかし、時を同じくして、「罪を憎んで人を憎まず」という言葉をある本で目にしてから、Bに対するワタシのモヤモヤした感情は徐々に消えていった。
実は、ワタシも娘の友達家族に酷い仕打ちをしたことがある。
その時のワタシは、精神が不安定でボロボロで、正常な判断ができない状態だった。
因果応報とはよく言ったものだ。
もしかしたら、Bも精神的な辛さや不安を心の中に抱えているのかもしれない・・・。
そう思うと、何だか許せた。
ワタシは、自分は不完全であることを知りながら、それを見て見ぬふりをし、他人にばかり完全な人間性を求めていたのかもしれない。
みんな不完全で、みんないい。
このような考えにワタシを至らせてくれたBに感謝すべきなのかもしれない。